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    AGAコラム

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    円形脱毛症って何?原因や対策方法を解説

    記事更新日:2024.09.26

    監修医情報

    新行内 出

    ナチュラルAGAクリニック 院長 新行内 出

    経歴

    2013年3月 千葉大学医学部卒業
    2013年4月 がん研有明病院勤務
    2014年4月 東京大学医学部付属病院勤務
    2015年4月 大手AGAクリニックA勤務
    2017年6月 大手AGAクリニックB勤務
    2021年5月 ナチュラルAGAクリニック開院

    資格・所属

    • 日本美容皮膚科学会 正会員
    • 日本抗加齢医学会 正会員

    円形脱毛症って何?原因や対策方法を解説

    円形脱毛症とは!?

    円形脱毛症とは特定の範囲の毛髪がまとまって抜け落ち、その部分の頭皮が露出する脱毛症です。抜けた部分と生えている部分の境界がはっきりしている点が特徴です。

    あまりにも短時間で脱毛してしまうため、本人が気づかず周囲から指摘されて気づく場合も多いようです。子供からお年寄りまで発症し、男女でも発症率はほとんど変わりません。子供が発症する場合はストレスに起因する場合が多いようです。

    AGAと円形脱毛症の違いは抜け方です。AGAの場合は頭頂部や生え際がじわじわと薄くなっていき、毛が軟毛化します。円形脱毛症とAGAでは原因も治療法も異なります。

    円形脱毛症の種類について見ていきましょう。

    円形脱毛症の種類

    抜け落ちる形や部位などによって種類が分けられます。専門家に受診し、自分がどのタイプなのか見極めてください。

    ・単発型

    よく見られる、1か所が丸く抜けるタイプです。一般的に単発型は治りやすいと言われており、1年以内に治癒するケースが多いです。しかし、脱毛の範囲がどんどん広がったり、箇所が増えるようであれば治療を受けた方が良いかもしれません。

    ・多発型

    2か所以上が円形に脱毛するタイプです。完治までは半年〜2年かかると言われています。

    ・蛇行型

    首筋近くの後頭部、耳のまわりの側頭部、おでこの上など生え際に沿って蛇のように広がるタイプです。

    ・全頭型

    最終的に頭髪の全てが抜け落ちてしまうタイプです。治療は長期に渡る場合が多いです。

    ・汎発型

    円形脱毛症がかなり進行して全身の毛が抜け落ちてしまうタイプです。眉毛やまつ毛、脇毛などの体毛も抜けます。治療は長期に渡る場合が多いです。

    円形脱毛症の原因

    最近の研究では円形脱毛症は「自己免疫疾患」というカテゴリの病気と言われています。

    免疫とは、ウイルスや細菌から自分を守るために働く防御のシステムのことです。免疫が正常に機能しなくなり、逆に体を攻撃してしまうことで引き起こされる病気を「自己免疫疾患」と言います。自分自身の正常な細胞や組織に対してまで攻撃を加えてしまい、体に異常をきたします。

    円形脱毛症は、Tリンパ球が毛根を異物と間違えて攻撃してしまうため、毛髪が抜けてしまうと考えられています。しかしなぜその様な異常が生じてしまうのかは、まだ明らかになっていません。きっかけの1つとして、精神的・肉体的ストレスなどがあると言われています。また、アトピー性皮膚炎・喘息・アレルギー性鼻炎などを合併している場合が多いと言われています。

    ①精神的ストレス

    精神的ストレスと円形脱毛症の関連は以前より議論があります。強い精神的ストレスによって脱毛を生じたケースもある一方、全く関連を自覚しない患者も多いです。ストレスを解消するだけで髪が生えてくるケースもあるようです。ただ、なぜストレスによって脱毛する可能性があるのかメカニズムは解明されていません。

    ②遺伝

    患者の約8.4%に、同じ病気を抱えている家族がいるというデータがあります。

    ③風邪やインフルエンザなど病気のあとに

    円形脱毛症とウイルス感染との関連も議論がありますが、明確な因果関係はわかっていません。また、感染症などの身体的ストレスの後には、一時的に抜け毛が増える「休止期脱毛」を生じることがあります。

    円形脱毛症の治療の種類

    病気が始まってからの期間と脱毛面積によって治療法は異なります。具体的にどんなものがあるか見ていきましょう。

    ■外用薬

    ・ステロイド
    炎症や免疫機能を抑える作用があります。効果が認められており推奨される治療薬の1つです。

    ・フロジン液(塩化カルプロニウム)
    頭皮の血流を改善する作用があります。1日2~3回、脱毛部に塗布します。

    ・ミノキシジル(外用薬)
    AGA治療でも代表的な治療薬です。血管を拡張する効果があり、発毛効果が認められています。

    ■内服薬

    ・抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)
    花粉症などのアレルギー症状を緩和する治療薬です。発毛効果に関してある程度の根拠があるため、背景にアトピー素因を持つケースでは推奨されます。

    ・ステロイド(内服)
    炎症や免疫機能を抑えるステロイドの飲み薬です。急速の進行する症例には使用期間を限定して行っても良いとされています。副作用として肥満、糖尿病、生理不順、消化器不全などを起こす場合があります。また、子供には行わない方が良いでしょう。

    ■光線治療

    紫外線照射装置による光線療法です。1~2週間に1回の通院が必要となります。

    ■局所注射

    脱毛部にステロイドを直接注射する治療法です。有効性がありますが、痛みがあることが難点です

    ■局所免疫療法(SADBE療法)

    かぶれを起こす特殊な薬品を塗布する治療法です。弱いかぶれの皮膚炎を繰り返し起こすことによって改善します。現在最も有効な治療法の1つです。

    ■液体窒素による冷却療法

    マイナス196℃の液体窒素を用いて皮膚を冷却し、刺激を与えることによって改善します。

    円形脱毛症かも…と思ったらどこに相談すればいい?

    ・円形脱毛症の専門家に診療してもらう
    皮膚科、美容皮膚科、内科、AGAクリニックなどで対応してることが多いです。円形脱毛症の治療を行なっているかどうか事前にチェックしてから受診をするようにしてください。

    ・心療内科を活用する
    精神的ストレスがきっかけとなり、円形脱毛症になるケースは多いです。心理的な負担を軽減することが治療の近道になることもありますので、該当する場合は活用してみてください。

    ・医療用ウィッグ専門店を活用する
    やはり見た目が気になる方が多いですので、気になる場合は活用をおすすめします。高額なイメージがあるかもしれませんが、実は数千円程度で購入することができます。脱毛箇所が目立つことで引き起こされるストレスもあります。学校や職場に通う際も、違和感のない見た目に仕上げることで、ストレスが軽減できるでしょう。

    逆に…おすすめできない治療法

    ・シクロスポリンAの服用
    免疫力を抑える飲み薬ですが、医学的な根拠に乏しいので安易に服用することは避けてください。

    ・精神安定剤の服用
    脱毛症を改善する効果はありません。安易に服用することは避けてください。

    ・鍼灸、漢方薬を用いる
    民間療法として人気はありますが、科学的な検証が十分にされておらず、効果があるのかどうかは疑問が残ります。副作用はないので、補助的に使用する分には問題ありません。

    ・分子標的治療
    がん治療や自己免疫疾患などに使用される治療法ですが、円形脱毛症の治療に関して効果は実証されていないのでおすすめできません。

    最後に

    円形脱毛症は「自己免疫疾患」の1種で、原因は明らかになっていません。ただ、疲れやストレスがきっかけとなり引き起こされるケースもあるので、生活習慣やストレスの原因を見直すことが大切です。

    円形脱毛症は子供からお年寄りまで発症し、女性にも男性にも変わらない割合で見られる病気です。誰でも発症する可能性がありますので、脱毛が起こったからと言って気に病むことはしないでください。

    1箇所が丸く抜け落ちている場合、ウィッグによってカバーすることが可能です。脱毛箇所が気になる場合は、医療用のウィッグを探してみるのも手段です。大きな病院で医療用ウィッグを取り扱っている場合があります。

    AGA以上に治療法がたくさんあり、どんな治療が適しているか個人で見極めることは難しいので早期に専門家に受診するようにしてください。

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