AGAコラム
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記事更新日:2026.05.09
ザガーロ(デュタステリド)はAGA治療で広く使われている薬ですが、副作用を不安に感じている方も多いかもしれません。副作用の頻度は国内研究で約16.7%です。フィナステリドと比べてデュタステリドの方がやや多いとする研究もあり、性機能への影響も無視できません。本記事ではED・女性化乳房・肝機能障害の確率、献血・妊活への影響、フィナステリドとの違い、副作用が出たときの対処法とやめどきまで、AGA診療の視点で整理します。
監修医情報
ナチュラルAGAクリニック 院長 新行内 出
経歴
| 2013年3月 | 千葉大学医学部卒業 |
|---|---|
| 2013年4月 | がん研有明病院勤務 |
| 2014年4月 | 東京大学医学部付属病院勤務 |
| 2015年4月 | 大手AGAクリニックA勤務 |
| 2017年6月 | 大手AGAクリニックB勤務 |
| 2021年5月 | ナチュラルAGAクリニック開院 |
資格・所属
ザガーロは、AGA(男性型脱毛症)治療薬で、有効成分はデュタステリドです。2015年に日本で男性型脱毛症の適応を取得し、現在は0.5mgカプセルが広く使用されています。ジェネリック医薬品(デュタステリド0.5mgカプセル)も複数承認されており、価格面でも選択肢が増えています。
AGAの主な原因は、男性ホルモン テストステロンが5αリダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン:男性型脱毛に関与する男性ホルモン)に変換され、毛母細胞に作用して毛周期を短縮させることです。ザガーロはこの5αリダクターゼのⅠ型・Ⅱ型の両方を阻害し、血中DHTを約90%低下させる働きが報告されています。
フィナステリド(プロペシア)はⅡ型のみを阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型の両方を抑えるため、DHT抑制効果が強い点が特徴です。その分、副作用のリスクや服用中止後の体内残存期間にも違いが生じます。
AGA治療でのザガーロの標準用量は1日1回0.5mgです。アボルブは同じデュタステリド0.5mgですが前立腺肥大症への適応で、AGA目的での健康保険適用はありません。ジェネリックのデュタステリド0.5mgカプセルはザガーロと同等の有効成分量で製造されており、先発品・後発品いずれも副作用は共通です。
副作用データ要約
添付文書の副作用の頻度は約16.7%です。服用する方の多くは大きな副作用なく治療を続けられますが、一定数で性機能関連の症状が出現します。
📊 副作用の確率・頻度をさらに詳しく知りたい方は デュタステリド(ザガーロ)の副作用の確率は? もご覧ください。
ザガーロで最も多いのは性機能関連の副作用です。添付文書では勃起不全(ED)が約4.3%、性欲(リビドー)減退が約3.9%、精液量減少が約1.3%です。
症状の多くは中止・減量で改善しますが、休薬後も副作用が続くという報告があるため、服用中は自覚症状の変化に注意が必要です。妊活中の男性は精液量低下の可能性も踏まえて主治医と相談してください。
乳房関連の副作用として女性化乳房(乳腺の肥大)や乳房圧痛が報告されています。頻度は1%未満と稀ですが、デュタステリド服用中に女性化乳房が起きた場合は関連性が疑われます。乳房のしこりや圧痛を感じたら速やかに医師に相談してください。
デュタステリドは主に肝臓で代謝されるため、肝機能への影響が知られています。頻度は稀ですが、AST・ALT・γ-GTPの上昇が報告されています。重度の肝機能障害がある方への投与は禁忌で、服用開始前および服用中は定期的な血液検査による肝機能の定期検査を行った方が良いでしょう。
抑うつ気分・気力低下などの精神症状が稀な副作用として添付文書に記載されています。中止後も性機能障害やうつ症状が持続する「ポストフィナステリド症候群(PFS)」も報告されていますが、PFSの発生頻度は不明で報告例も限定的です。
そのほか、蕁麻疹・発疹・かゆみなどの皮膚症状、めまい、頭痛、倦怠感、動悸、脱毛などが1%未満の頻度で報告されています。これらの症状が出た場合は、他の薬剤との関連やアレルギーの可能性も含めて医師の判断が必要です。
ザガーロとフィナステリドは、作用する5αリダクターゼの型が異なるため、効果と副作用の傾向にも違いがあります。
| 項目 | デュタステリド(ザガーロ) | フィナステリド(プロペシア) |
|---|---|---|
| 作用対象 | 5αリダクターゼⅠ型+Ⅱ型 | 5αリダクターゼⅡ型のみ |
| DHT抑制率 | 約90% | 約70% |
| 副作用の頻度 | 約16.7%(添付文書) | 約10.5% |
| 半減期(体内に取り込まれた薬の濃度が半分になる期間) | 約3〜5週間(長い) | 約6〜8時間 |
| 献血禁止期間 | 最終服用から6ヶ月間 | 最終服用から1ヶ月間 |
デュタステリドの半減期は約3〜5週間と長く、服用を中止しても体内から消失するまでに時間がかかります。そのため、献血禁止の期間は6ヶ月と長く、妊活の場合は以下のような注意点を守ることが求められます。フィナステリドの副作用について詳しく知りたい方はこちらもあわせて参照してください。
2025年の研究では、デュタステリドの服用期間が18ヶ月を超えると精液量や精子運動率が持続的に低下する傾向があることが報告されました。休薬後には改善するため、妊活中の男性は服用継続の可否を主治医と相談してください。
また、デュタステリドは精液中に移行するため、パートナーが妊娠中・妊娠の可能性がある場合は性交渉時にコンドームが必須です。精液経由で女性が曝露されると、お腹の中の男の子の性器発達に影響する可能性があるためです。
最終服用日から6ヶ月間は献血ができません。デュタステリドの半減期が3〜5週間と長く、妊娠中の女性が輸血を受けた場合の胎児影響を避けるための措置です。フィナステリドの献血禁止期間は中止後1ヶ月なので、献血時は日本赤十字社の基準に従って申告してください。
デュタステリドはPSA(前立腺がん検査の血液マーカー)値を下げるため、検診時の解釈に注意が必要です。デュタステリドを服用中は、PSA値が約50〜60%低下すると言われていますので、検査の際には測定値を2倍に補正して考える必要があります。健康診断や人間ドックで前立腺がん検査を受ける際は、ザガーロ服用中である旨を必ず伝えてください。
肝機能障害は稀ですが、服用中は定期的な血液検査が望ましいです。服用開始前、開始1ヶ月後、その後6〜12ヶ月ごとにAST・ALT・γ-GTPを確認する運用が一般的です。もともと肝機能に異常がある方、飲酒量が多い方、他の飲み薬を併用中の方はより頻回なチェックが必要です。
デュタステリドは肝臓のCYP3A4という酵素で代謝されるため、CYP3A4を強く阻害する薬剤との併用には注意が必要です。代表的な薬剤として、イトラコナゾール(抗真菌薬)、クラリスロマイシン(抗生物質)などが挙げられます。これらを服用している場合は、必ず処方医に申告してください。
また、グレープフルーツにもCYP3A4の働きを抑える作用があり、果実やジュースを日常的に摂取するとデュタステリドの血中濃度が上がる可能性があります。服用期間中は、グレープフルーツを大量に食べたり毎日ジュースを飲んだりすることは避けた方が安心です。
デュタステリドは女性および20歳未満の小児への投与は禁忌です。日本皮膚科学会の男女の脱毛症診療ガイドラインでも、女性への5α還元酵素阻害剤の経口投与は行わないよう明記されています。妊娠中または妊娠の可能性がある女性は、カプセルの取り扱いにも注意が必要です。
デュタステリドは肝臓で代謝されるため、重度の肝機能障害を有する方への投与は禁忌となります。中等度の肝機能障害がある場合も慎重投与の対象で、治療開始前の血液検査結果に基づいて医師が判断します。
過去にデュタステリドや他の5α還元酵素阻害剤で重篤な過敏症(蕁麻疹・血管浮腫など)を起こした既往がある方には投与できません。服用後に全身の発疹・呼吸困難などが出た場合は、直ちに医療機関を受診してください。
副作用を自覚した際の基本的な対応は、症状の程度と日常生活への影響を記録し、自己判断で中止せず処方医に相談することです。軽度の性欲(リビドー)減退や疲労感であれば、経過観察や減量で改善する例もあります。一方、黄疸・強い腹痛・呼吸困難・著しい気分の落ち込みなどは早急な受診が必要です。
デュタステリドで副作用が強い場合、Ⅱ型のみを阻害するフィナステリドへ切替える選択肢があります。DHT抑制力はやや下がりますが、性機能関連の副作用リスクが下がる可能性があります。フィナステリドの副作用と特徴を比較しながら、主治医と相談してください。
逆にフィナステリドの効果が物足りない場合、ザガーロへの切り替えを検討することも選択肢になります。この場合に押さえるべきポイントは以下の3点です。
切り替え前には、直近の肝機能・血液検査結果と、性機能・妊活状況を医師に共有し、切り替え後3〜6ヶ月は自覚症状と血液検査のフォローを受けることが重要です。
「やめどき」を判断するときは、以下のような要素を総合的に判断する必要があります。
中止する場合も、自己判断で急にやめると数ヶ月〜半年後に抜け毛が再度進行する可能性があるため、ミノキシジル外用薬やLLLT(低出力レーザー)など他の治療への切替を含めて計画的に判断することが重要です。ミノキシジル治療のやめ方についての記事も参考にしてみてください。
フィナステリドやデュタステリドなどの中止後に、男性機能障害や抑うつなどが長期間持続する状態を「ポストフィナステリド症候群(PFS)」と呼びます。頻度は明確ではないものの、国際的にも報告が増えており、服用前にリスクを知っておくことや、服用中に自覚症状をしっかり認識することが重要です。治療を開始する際は、効果・副作用・中止時のリスクの3点をあらかじめ医師と共有しておくと安心です。
A. AGAは進行性の疾患のため、服用を中止するとDHTの抑制が解除され、抜け毛が再び進行する可能性があります。中止する場合には、効果をキープするためにそのほかのAGA治療で効果を代替する方法があります。
A. ザガーロ服用開始後1〜2ヶ月の間に初期脱毛が生じることがあります。これはヘアサイクルが正常化する過程で起こる一時的な反応で、多くは1〜2ヶ月で落ち着きます。
A. ミノキシジル外用薬(リアップなど)との併用は、日本皮膚科学会のガイドラインでも一般的な治療組み合わせとして位置づけられています。ミノキシジルの副作用の記事もあわせて確認してください。
A. 有効成分はどちらもデュタステリド0.5mgですが、ザガーロはAGA適応、アボルブは前立腺肥大症の適応です。AGA治療目的ではザガーロまたはそのジェネリックを使用します。
A. LLLT(低出力レーザー:低出力のレーザーを頭皮に照射して毛根を活性化する治療)や生活習慣の改善など、内服薬を使わない治療も選択肢になります。薬を使わないAGA治療の記事も参考にしてください。
A. 20代で薄毛の進行が軽度な場合、まずはフィナステリドから開始するか、ミノキシジル外用薬・LLLTなど副作用リスクの低い治療から検討する運用が一般的です。妊活や副作用への不安が強い場合も同様で、ザガーロは効果実感を重視するケースや、フィナステリドで効果が不十分な場合に選択されることが多い薬剤です。
ザガーロ(デュタステリド)はAGA治療の第一選択薬のひとつで、強いDHT抑制効果を持ちます。副作用の頻度は約16.7%で、ED・女性化乳房・肝機能障害・精神症状などを把握しておく必要があります。
副作用が不安な方は、治療開始前に必ず医師と相談するようにしてください。ナチュラルAGAクリニックでは副作用リスクを丁寧に説明し、薬を使わないAGA治療をご提案しています。お気軽に無料カウンセリングにてご相談ください。
診察前チェックリスト(相談時に医師に伝える項目)