AGAコラム
Column
AGAコラム
Column
記事更新日:2026.09.27
つむじはげかどうかは、分け目の幅や1枚の写真だけでは判断できません。つむじの中心は正常でも地肌が見えるため、同じ条件で撮った写真を並べ、範囲が広がっているかどうかで変化を確認することが基本です。そのうえで、細く短い毛が増えている、抜け毛が急に増えたといったサインがあれば、医療機関に相談する目安になります。
監修医情報
ナチュラルAGAクリニック 院長 新行内 出
経歴
| 2013年3月 | 千葉大学医学部卒業 |
|---|---|
| 2013年4月 | がん研有明病院勤務 |
| 2014年4月 | 東京大学医学部付属病院勤務 |
| 2015年4月 | 大手AGAクリニックA勤務 |
| 2017年6月 | 大手AGAクリニックB勤務 |
| 2021年5月 | ナチュラルAGAクリニック開院 |
資格・所属
つむじが薄いと感じても、それだけでつむじはげとは限りません。つむじは自分の目で直接見えない場所です。美容室で指摘されたり、スマートフォンで撮った写真を見て初めて気になったりする人が多くいます。見る条件によって地肌の見え方は大きく変わるため、思い込みや気にしすぎで不安になっている場合も少なくありません。つむじはげの見分け方の基本は、条件をそろえて今の状態を正しく確認することです。
つむじの変化は、同じ条件で撮った写真を比べると確認しやすくなります。撮影するときは、次の4点をそろえます。
1枚の写真だけで断定しないことも大切です。半年に1回ほど記録しておくだけでも、受診したときの判断材料になります。医療の現場でも、毎回同じ手順で撮った写真を並べて比べる方法が、経過を記録する手段として使われています。今日の写真を基準として残しておき、過去の写真と比べて範囲が広がっているかを見ることが、セルフチェックの基本です。
比べる写真がまだない場合は、今日撮った写真を基準にして、数か月後に同じ条件で撮り直します。ただし、家族に薄毛の人がいて、細い毛が増えてきた自覚がある場合は、写真がそろうのを待たずに相談してもかまいません。
自分で撮るのが難しい場合は、三面鏡や合わせ鏡を使う方法もあります。家族など、正直に見てくれる人に確認してもらうのもひとつの方法です。
つむじは、撮影や生活の条件によって一時的に薄く見えることがあります。代表的なのは次のような条件です。
もともと髪がぺたんとしやすい人や、つむじが2つある人は、地肌が目立ちやすい傾向があります。乾いた髪で条件をそろえて撮り直し、それでも以前より広がっているかどうかを確認します。
つむじのセルフチェック
当てはまる項目があっても、それだけでAGAとは限りません。気になる項目がある場合は、後半の「医療機関へ相談する目安」もあわせて確認してください。
正常なつむじでも、毛流れの中心に地肌が見えるのは自然なことです。右巻きか左巻きか、つむじが1つか2つかは、薄毛とは関係ありません。正常な場合は、中心の点のような部分だけが見え、その周りは髪で覆われています。
一方、薄毛が進んでいる場合は、次のような変化がみられます。
| 確認する点 | 正常なつむじ | 薄毛が疑われるつむじ |
|---|---|---|
| 地肌が見える範囲 | 毛流れの中心だけ | 中心の外側まで透けて、範囲が広がっていく |
| 毛流れ(渦) | 渦がはっきりしている | 渦が弱く、分かりにくくなる |
| 髪の太さ・手触り | 後頭部の髪と同じくらい | 後頭部より細く、ふわふわと柔らかい |
| 時間による変化 | 写真で比べても変わらない | 時間をかけて少しずつ広がる |
ここで大切なのは、「何cm以上なら薄毛」という基準で判断しないことです。見え方は髪の太さや色、髪型で人それぞれなので、地肌が見える範囲の広がりと、毛が細く柔らかくなる変化(軟毛化)を分けて確認します。軟毛化は、つむじ周りの髪を指で触り、後頭部の襟足の髪と太さや手触りを比べると確認できます。範囲の広がりと毛の細さの両方を見ることが、正常なつむじと薄毛の見分け方のポイントです。
日本人男性369名の頭頂部を調べた研究では、AGAの人とAGAでない人の髪を比べています。AGAの人は、太い毛の割合が低く、細い毛の割合が高いことがわかりました。一方で、25歳以上のAGAでない人と比べると、毛の本数(密度)には大きな差がありませんでした。少なくとも25歳以上の男性では、つむじが薄く見える主な理由は、毛の本数が減ることよりも、1本1本が細くなることだと考えられます。
つむじはげの原因として多いのは、AGA(男性型脱毛症)です。AGAでは、男性ホルモンのテストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に変わり、毛根に作用します。すると髪の成長期が短くなり、ヘアサイクル(髪が生えて抜けるまでの周期)が乱れます。その結果、髪が太く長く育つ前に抜けてしまい、細く短い毛が増えていきます。
頭頂部と生え際は、DHTの影響を受けやすい部位です。反対に、側頭部や後頭部は影響を受けにくい部位です。薄毛が生え際から始まるか、つむじから始まるかは人によって異なり、AGAの発症には遺伝と男性ホルモンが関わっています。側頭部や後頭部は薄くないのに、つむじ周りだけが薄くなっている場合は、AGAを考える手がかりになります。
つむじはげで見られるAGAの特徴は、次のとおりです。
初期症状として多いのは、地肌がはっきり透けるより先に、髪の立ち上がりが悪くなる、ハリ・コシが弱くなるといった変化です。
AGAは、ある日突然ではなく、ゆっくり進むのが特徴です。短い期間で急に薄くなった場合は、AGA以外の原因を考える必要があります。また、頭頂部は自分で見えないため、進んでから気づくことが多い部位です。AGAの進行度は、ハミルトン・ノーウッド分類(薄毛の広がり方を段階と型で分けた表)などで評価されます。
医師は、頭皮を拡大して観察する検査(トリコスコピー)でも状態を確認します。複数の研究をまとめた分析では、AGAの頭皮で最も多くみられた所見は、毛の太さのばらつきでした。こうした所見と経過、家族歴などを合わせて、AGAかどうかの診断は医師が総合的に行います。
AGAの治療法の全体像は、男性のAGA治療の種類と特徴で詳しく解説しています。
つむじが薄く見える原因は、AGAだけではありません。原因によって、見え方や経過、相談すべきタイミングが異なります。
休止期脱毛症は、髪全体の抜け毛が一時的に増える状態です。つむじだけでなく、頭部全体が薄くなったように見えるのが特徴です。きっかけは、高熱や手術、出産、急激なダイエット、強いストレスなどです。抜け毛は、こういったきっかけから数か月後に増えるのが一般的です。多くは一時的で、半年ほどで自然に落ち着きます。半年を超えて続く場合は、慢性化していることもあります。ただし、甲状腺の病気や鉄不足などが隠れていることもあります。抜け毛の多い状態が続く場合や、だるさなど髪以外の症状がある場合は、医療機関に相談します。
円形脱毛症は、境界のはっきりした円形や楕円形の脱毛斑が、急にできる病気です。免疫の異常が関わっており、ストレスは原因というより引き金のひとつと考えられています。生涯で約2%の人が経験するという報告があります。脱毛斑の皮膚は正常か、少し赤みがある程度です。経過は人によって異なり、自然に生えてくることもあれば、広がることもあります。円形に抜けている場合や、急に広範囲が抜けた場合は、AGAとは治療法が異なるため、早めに皮膚科を受診します。
頭皮の病気でも、つむじ周りの状態が気になることがあります。代表的なのは脂漏性皮膚炎で、頭皮の赤み、かゆみ、べたつき、脂っぽいフケを伴います。皮脂の多さや、皮膚にいる真菌(カビの一種)、その人の体質が関わっています。脂漏性皮膚炎は、通常それだけで薄毛の原因になるものではありません。ただし、症状が重い場合は、かさぶたとともに抜け毛を伴うことがあります。フケがあるだけで薄毛になるわけではありませんが、赤み・かゆみ・フケが続く場合は炎症が起きている可能性があります。強いかゆみや痛みがある場合は、皮膚科で頭皮の治療を受けます。
牽引性脱毛症は、髪を長い期間引っ張り続けることで起こる脱毛です。きついポニーテールやお団子、編み込み、エクステなどの髪型が原因になります。主に生え際や分け目など、引っ張られている部分が薄くなるのが特徴です。初期は髪型を変えることで回復が期待できます。一方で、引っ張る状態を何年も続けると、毛根が傷ついて元に戻りにくくなることがあります。同じ分け目や結び方を続けている場合は、分け目を変える、強く結ばないなどの工夫が必要です。
女性の場合も、つむじや頭頂部が薄く見えることがあります。女性に多いのは、女性型脱毛症(FAGA)による頭頂部の全体的な薄毛です。女性型脱毛症では、頭頂部を中心に比較的広い範囲の髪が全体的に薄くなり、地肌が透けやすくなります。皮膚科を受診した英国の女性377名を調べた研究では、女性型脱毛症は50歳未満で6%、70歳以上で38%にみられ、年齢とともに増えていました。このほか、産後の休止期脱毛、鉄不足や甲状腺の病気、きつい髪型による牽引性脱毛症も、女性に起こりやすい原因です。休止期脱毛症では急に抜け毛が増えて頭全体が薄くなるのに対し、女性型脱毛症は時間をかけて少しずつ、頭頂部を中心に薄くなります。産後の抜け毛の多くは一時的ですが、半年以上たっても戻らない場合は、慢性化した休止期脱毛や女性型脱毛症、鉄不足などが隠れていないかを医療機関で確認します。女性の分け目の変化については、女性の分け目が薄くなる原因で詳しく解説しています。
つむじの薄さが気になっても、すべての人がすぐに治療を始める必要はありません。ただし、次のような変化がある場合は、医療機関に相談する目安になります。
| こんな変化があるとき | 考えられる原因の例 | 相談先の目安 |
|---|---|---|
| 以前の写真より、地肌が見える範囲が広がっている 抜け毛が増え、細く短い毛が混じる 家族に薄毛の人がいて、細い毛が増えてきた |
AGA、女性型脱毛症 | 皮膚科、AGAを扱う医療機関 |
| 短い期間で急に全体の抜け毛が増えた | 休止期脱毛症、円形脱毛症 | 皮膚科(体調不良があれば内科も) |
| 円形や楕円形に抜けている | 円形脱毛症 | 皮膚科 |
| 赤み・痛み・強いかゆみがある | 脂漏性皮膚炎などの頭皮疾患 | 皮膚科 |
AGAは自然に治ることはなく、少しずつ進行します。早期に対処するほど、治療の選択肢が多く残っています。一方で、地肌が見える範囲が広い、産毛もほとんど残っていない、何年も様子を見てきたといった場合は、毛根の働きが戻りにくくなります。「治療を始めるかどうか」ではなく、「今の状態を知る」ために相談するという考え方で受診してかまいません。
受診するときは、これまで撮りためた写真を持参すると、変化の説明がしやすくなります。家族の薄毛の有無や、最近の体調の変化、服用中の薬なども伝えられるようにしておきます。女性の場合は、出産の時期や授乳の有無、月経の変化も判断の手がかりになります。
AGAによるつむじの薄毛には、医学的な研究で効果が確認されている治療があります。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」は、研究の結果をもとに治療法を推奨度A〜Dに分けています。
薬物治療には、頭皮に塗る外用薬と、飲む内服薬があります。男性では、フィナステリド内服、デュタステリド内服、ミノキシジル外用が推奨度A(行うよう強く勧める)です。フィナステリドとデュタステリドは、DHTが作られるのを抑えて抜け毛を減らす薬です。ミノキシジル外用薬は、毛根の血流を増やして発毛を促す塗り薬です。
頭頂部に薄毛のある男性1,553名を対象に、偽薬(有効成分を含まない薬)と比べた試験があります。フィナステリドを飲んだグループは2年間で頭頂部の髪が増え、偽薬のグループは薄毛が進みました。また、男性393名を対象とした48週間の試験では、ミノキシジル外用薬は偽薬より髪が増えました。5%の外用薬は1%の外用薬より効果が大きい一方で、かゆみなどの皮膚の刺激も多くみられました。
薬物治療には限界もあります。ガイドラインでは、内服薬の効果を確かめるまでに少なくとも半年ほど続けることが求められています。また、内服薬は、飲むのをやめると効果が失われます。内服薬では性欲の低下や勃起機能の低下などの副作用が報告されています。女性には、フィナステリドとデュタステリドの内服は推奨度D(行うべきではない)の評価で、妊娠中・授乳中は禁忌です。ミノキシジルの内服は、男女ともに推奨度Dです。
低出力レーザー治療は、出力の弱いレーザー光を頭皮に当てて発毛を促す治療です。仕組みはまだ完全には解明されていませんが、光が毛根の細胞に作用してエネルギー産生を高め、頭皮の血行も良くすると考えられています。ガイドラインでは、男女ともに推奨度B(行うよう勧める)の評価です。
男女あわせて269名が参加し、見た目が同じでレーザーではない普通の光を出す偽の機器と比べた試験があります。26週間の使用で、レーザー機器を使ったグループは偽の機器のグループより太い毛の密度が増えました。効果は年齢や性別に関係なくみられ、重い副作用は報告されませんでした。
低出力レーザーは、ホルモンに作用しないため、飲み薬の副作用が心配な人や女性も選択できます。一方で、週に数回の照射を続ける手間がかかります。効き方には個人差があり、効果の大きさを飲み薬と直接比べた研究は限られています。頭皮の乾燥やかゆみなどがみられることもあります。
治療の詳しい内容は、AGA・薄毛の低出力レーザー治療で解説しています。
治療を選ぶときは、効果の大きさだけでなく、リスクや続けるための負担も含めて比べることが大切です。
| 治療 | 期待できること | 主なリスク・負担 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド(内服薬) | DHTを抑えて抜け毛を減らし、髪を増やす。男性は推奨度A | 性欲低下などの副作用。女性は使えない。やめると効果が失われる |
| ミノキシジル(外用薬) | 毛根の血流を増やし、発毛を促す。男女とも推奨度A | かゆみ・かぶれなどの皮膚症状。1日2回塗り続ける手間 |
| 低出力レーザー | 毛根の細胞を活性化し、発毛を促す。男女とも推奨度B | 週3回ほどの照射を続ける手間。効き方に個人差。頭皮の乾燥・かゆみ |
| 自毛植毛 | 自分の後頭部の毛を薄い部分に移植する。男性は推奨度B | 手術の負担と費用。植毛していない部分の進行は防げない |
市販の育毛剤やシャンプーに含まれる成分の多くは、ガイドラインで推奨度C1(根拠は十分ではないが、行ってもよい)の評価にとどまります。男性のアデノシン外用は推奨度Bです。頭皮マッサージやメソセラピー(頭皮への注射)は、推奨度A・Bの治療には含まれていません。睡眠や食事でタンパク質・亜鉛・ビタミンなどの栄養をとること、喫煙や紫外線を避けることは、体と頭皮の健康を保つ予防の面で大切です。ただし、生活習慣を整えるだけで、AGAによるつむじはげを治すことは難しいのが実際です。
女性が選べるのは、主にミノキシジル外用(推奨度A)と低出力レーザー(推奨度B)です。男性で内服薬の副作用が心配な場合も、この2つを選ぶことができます。妊娠中や授乳中の治療については、医師に相談してください。
飲み薬を使わない治療の考え方については、薬を使わないAGA治療で紹介しています。
ナチュラルAGAクリニックでは、飲み薬を使わない治療を扱っています。以下は、頭頂部の薄毛が気になって来院された30代男性の症例です。飲み薬を使わないナチュラルメソッド(低出力レーザー治療を中心とした治療)を6ヶ月行い、頭頂部の薄さに改善がみられました。


主なリスクは、かゆみ、発赤、頭皮の乾燥などです。この症例の費用は月13,700円(医療分割払いを利用した場合の1回あたりの金額)です。治療の効果には個人差があります。ほかの症例は男性のAGA治療症例を見るで確認できます。
治療の費用は、選ぶ治療法や組み合わせによって変わります。AGA治療は保険が適用されない自由診療のため、続けられる費用かどうかも治療を選ぶ判断材料になります。費用の詳細はAGA・薄毛治療の料金をご覧ください。
写真だけで、つむじはげかどうかを判断することは難しいことがあります。ただし、同じ条件で撮った写真を並べると、地肌が見える範囲が広がっているかどうかを確認できます。写真は受診したときの判断材料にもなるため、定期的に残しておくと役立ちます。
女性にも、つむじや頭頂部が薄くなることがあります。女性に多いのは、女性型脱毛症による頭頂部を中心とした全体的な薄毛です。産後の休止期脱毛や鉄不足など、女性特有の原因もあるため、気になる場合は医療機関で原因を確認します。産後の抜け毛が半年以上続いている場合も、相談の目安になります。
円形の脱毛や頭皮の赤み・かゆみ、急な抜け毛がある場合は、まず皮膚科を受診します。つむじの薄さが少しずつ広がっている場合は、皮膚科またはAGAを扱う医療機関が相談先になります。
睡眠や食事などの生活習慣の改善や、市販の育毛剤の使用だけで、AGAによるつむじはげを治すことは難しいです。AGAは進行するため、薄さが広がっている場合は、医学的な研究で効果が確認されている治療を検討することが現実的です。20代や高校生など若い年代でも、決して珍しくはないため遠慮なくご相談しましょう。
記事の要点は次の3つです。
つむじの状態が気になる場合は、まず今の状態を正しく知ることから始めてみてください。ナチュラルAGAクリニックでは、男性も女性も、無料カウンセリングで頭皮の状態を確認し、治療について相談できます。
参考文献