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    【医師監修】フィナステリド副作用とうつの関係:AGA治療薬の安全性を徹底解説

    フィナステリド副作用とうつの関係

    記事作成日:2024.07.19
    記事更新日:2024.08.09

    監修医情報

    新行内 出

    ナチュラルAGAクリニック 院長新行内 出

    経歴

    2013年3月 千葉大学医学部卒業
    2013年4月 がん研有明病院勤務
    2014年4月 東京大学医学部付属病院勤務
    2015年4月 大手AGAクリニックA勤務
    2017年6月 大手AGAクリニックB勤務
    2021年5月 ナチュラルAGAクリニック開院

    資格・所属

    • 日本美容皮膚科学会 正会員
    • 日本抗加齢医学会 正会員

    フィナステリドは、主に男性型脱毛症(AGA)の治療に使用される医薬品です。この薬は、テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)という強力な男性ホルモンに変換されるのを阻害する作用を持っています。DHTは毛包を縮小させ、薄毛を引き起こす主要な要因であるため、フィナステリドを使用することで、DHTの生成が減少し、薄毛の進行を遅らせることが期待されます。

    しかしフィナステリドには副作用のリスクもあるため注意が必要です。近年フィナステリドの抑うつ症状の副作用および自殺傾向の関連が報告されています。この記事ではフィナステリドの抑うつ症状の副作用について、抑うつ症状が起こる原因や頻度、うつ病薬との併用について詳しく解説します。

    また、この記事ではフィナステリド以外の治療法についてもご紹介しています。フィナステリドの副作用が心配な方は是非その他の治療についても記事の内容を参考にしてみてください。

    フィナステリドで起こる抑うつ症状

     

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    フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療に用いられる医薬品ですが、その使用に伴って抑うつ症状の副作用を生じることがあります。症状の程度は個人差があり、軽度の気分の落ち込みから深刻なうつ病に至る場合もあり、自殺との関連も報告されています。確実な因果関係が結論づけられいてるわけではありませんが、フィナステリドの副作用としてこういった精神症状が生じる可能性があることが報告されています。

    抑うつ症状が起こる理由

     フィナステリドが抑うつ症状を引き起こすメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの研究がその可能性を示唆しています。フィナステリドで抑うつ症状が起こる理由には、いくつかの生理学的および心理的要因が関与しています。まず、フィナステリドはテストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を阻害することで、体内のホルモンバランスに影響を与えます。このホルモン変動が、脳内の神経伝達物質のバランスにも影響を及ぼし、特にセロトニンやドーパミンといった気分に関与する物質のレベルが変動することが考えられます。これが、抑うつ症状を引き起こす一因となるとされています。

    さらに、フィナステリドの服用に伴う身体的変化や副作用も、心理的ストレスを増大させる可能性があります。例えば、性欲減退や勃起不全といった性的機能不全は、特に男性にとって深刻な精神的負担となり得ます。これらの症状が自己評価を低下させ、結果として抑うつ状態を引き起こすことがあるのです

    また、フィナステリドを使用することで期待される効果が得られない場合、その失望感や無力感も抑うつ症状の原因となることがあります。特に、男性型脱毛症の治療においては、見た目の変化が自己イメージに大きく影響を与えるため、治療効果が現れない場合の心理的ダメージは無視できません。

    一部の研究では、フィナステリドが直接的に脳内の神経保護因子に影響を与える可能性も指摘されています。例えば、神経成長因子(NGF)や脳由来神経栄養因子(BDNF)といった物質のレベルが低下することで、神経細胞の健康が損なわれ、結果として抑うつ症状が出現することが考えられます。

    総じて、フィナステリドで抑うつ症状が起こる理由は、ホルモンバランスの変動身体的副作用心理的ストレス、さらには神経保護因子のレベル変動といった複数の要因が絡み合っていると考えられます。

    抑うつ症状の発生頻度

     フィナステリドの使用に伴う抑うつ症状の発生頻度は、臨床試験や患者報告を通じて徐々に明らかにされてきました。具体的な発生頻度は、研究や調査によって異なるものの、一般的には1%未満の患者で抑うつ症状が現れるとされています。しかし、この数値はあくまで目安であり、個々の患者の体質や健康状態によって異なる可能性があります。

    一部の研究では、フィナステリドを使用する患者の中で抑うつ症状の発生率が3%程度に達することも示唆されています。特に、長期間にわたってフィナステリドを使用する患者や、高用量での治療を受けている患者において、抑うつ症状のリスクが高まる可能性があるとされています。さらに、既に抑うつ傾向がある患者がフィナステリドを使用する場合、その症状が悪化するリスクも考慮する必要があります。

    フィナステリドとうつ病の治療薬は一緒に飲める?

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     フィナステリドとうつ病の治療薬を同時に服用することに関しては、慎重に検討する必要があります。うつ病の治療薬にはさまざまな種類があり、それぞれが異なる作用メカニズムを持ちます。したがって、両者を併用する場合には、薬物間の相互作用や副作用のリスクを十分に理解することが重要です

    特に、フィナステリドが引き起こす可能性のある性機能障害やホルモンバランスの変化は、うつ病の症状を悪化させる可能性があります。うつ病の治療に用いられる一部の抗うつ薬、例えば選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、性欲減退や勃起不全など、フィナステリドと類似した副作用を持つことがあります。このため、両方の薬を同時に服用すると、これらの副作用が増強される可能性があります

    また、フィナステリドの服用によって抑うつ症状が現れた場合、その症状がうつ病の治療薬によって改善されるかどうかについては、臨床データが限定的です。このため、フィナステリドを服用中に抑うつ症状が現れた場合には、まずは主治医に相談し、薬の変更や中止を検討する必要があります。

    さらに、フィナステリドと抗うつ薬の併用による長期的な影響については、まだ十分に研究されていません。したがって、両者を併用する場合には、主治医と密に連携しながら、定期的なフォローアップを行うことが重要です。場合によってはフィナステリド以外の治療法も検討が必要かもしれません。

    若年者で自殺傾向・うつの関連が示唆される

     フィナステリドの使用に際して、若年者(特に45歳以下)における自殺傾向やうつ病の発生が示唆されています。複数の研究や報告により、フィナステリドを服用した若年男性の中で、抑うつ症状や自殺念慮が増加する可能性があることが指摘されています。具体的には、フィナステリドの使用開始後に気分の変動エネルギーレベルの低下日常活動への関心喪失などの症状が見られることがあります。これらの症状は、特に若年層において深刻な影響を及ぼす可能性があります。

    なぜ若年者においてこれらの症状が顕著に現れるのかについては、完全には解明されていません。しかし、ホルモンバランスの変化や脳内の神経伝達物質への影響がその一因と考えられています。フィナステリドがDHTの生成を阻害することで、男性ホルモンのバランスが崩れ、それが精神状態に影響を及ぼす可能性があるとされています。

    このようなリスクを考慮すると、フィナステリドの使用を開始する前に、医師と十分に相談し、リスクとベネフィットを慎重に評価することが重要です。特に、既に抑うつ症状や精神的な問題を抱えている若年者は、フィナステリドの使用に対して特別な注意が必要です。また、フィナステリドの使用中に抑うつ症状の副作用が現れた場合は、速やかに医師に相談し、適切な対応を取ることが求められます。

    ポストフィナステリドシンドローム(PFS)とは

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     ポストフィナステリドシンドローム(PFS)とは、フィナステリドの使用を中止した後に持続的な副作用が続くことを指します。PFSには、性機能障害精神的な不安定さ抑うつ症状、さらには認知機能の低下などが含まれます。これらの症状は、フィナステリドの使用を完全に止めた後でも数か月から数年にわたり続くことがあると報告されています。

    さらに、PFSの症状が現れるかどうかは個々の体質や遺伝的要因にも大きく依存するとされています。そのため、すべてのフィナステリド利用者がPFSを経験するわけではありません。

    ポストフィナステリドシンドロームが起こる理由

     ポストフィナステリドシンドローム(PFS)が起こる理由については、多くの専門家によって研究が進められていますが、未だ完全には解明されていない部分が多いです。

    PFSが発生する一因として、フィナステリドが強力に5α-リダクターゼという酵素を抑制することで、体内の男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)のレベルを大幅に低下させることが挙げられます。このDHTの減少が、ホルモンバランスの崩れを引き起こし、脳内の神経伝達物質にも影響を与える可能性があります。特に、セロトニンやドーパミンといった気分や感情に関与する神経伝達物質のバランスが崩れることで、抑うつ症状や不安感が引き起こされると考えられています。

    さらに、一部の研究は、フィナステリドが神経細胞の健康に重要な役割を果たすニューロステロイドの生成を阻害する可能性を示唆しています。ニューロステロイドは、脳の神経細胞の成長や修復をサポートし、ストレスに対する耐性を高める効果があります。これが不足することで、精神的な不安定さや認知機能の低下が生じる可能性があります。

    遺伝的要因もPFSの発現に関与していると考えられています。特定の遺伝子変異がある人は、フィナステリドの影響を受けやすく、薬剤の代謝が通常とは異なることがあります。このため、一部の人々はフィナステリドの影響をより強く感じる可能性があります。

    また、心理的要因も無視できません。フィナステリドの使用中に生じた副作用に対する不安やストレスが、薬の中止後も持続する症状を悪化させることがあります。これらの心理的要因がPFSの症状を増幅させ、回復を遅らせる可能性があります。

    以上のように、PFSが起こる理由は多岐にわたりますが、ホルモンバランスの崩れ神経伝達物質への影響遺伝的要因心理的要因が複合的に関与していると考えられます。

    ポストフィナステリドシンドロームの予防と対策

     若年者におけるリスクを軽減するためには、フィナステリドの使用前に医師との十分な相談が不可欠です。特に、過去にうつ病や精神的な問題を抱えていた人は、フィナステリドの使用に対して慎重になるべきです。また、フィナステリドを使用中に精神的な変化を感じた場合は、速やかに医師に相談し、必要に応じて治療を中止することが推奨されます。

    ポストフィナステリドシンドロームが実際に生じてしまった場合にはそれぞれ症状に対して対応する必要があります。一部の患者には、ホルモン補充療法が有効であることがあります。テストステロンやその他のホルモンのバランスを整えることで、性機能や気分の改善が期待されます。また、うつ症状や不安感が強い場合、SSRIやSNRIなどの抗うつ薬が処方されることがあります。ただし、これらの薬も副作用を伴う可能性があるため注意が必要です。その他、栄養や運動、睡眠など生活習慣の改善も欠かせません。PFSに関する確定的な治療は現時点ではなく、更なる研究が待たれます。

    フィナステリドのその他の副作用

     抑うつ症状以外にフィナステリドには以下のような副作用が報告されています。

    性欲の減退

    勃起不全

    射精障害

    女性化乳房/乳房痛

    精液量減少

    発疹やかゆみなどのアレルギー反応

    肝機能障害

    フィナステリドの副作用について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

    フィナステリドの使用を検討する際には、これらの副作用を十分に理解し、医師と相談しながらリスクとベネフィットを評価することが不可欠です。

    フィナステリド以外の治療法

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     フィナステリド以外にも、AGAの治療にはいくつかの選択肢があります。まず、ミノキシジルがあります。ミノキシジルは、血行を促進し、毛根に栄養を供給することで髪の成長を促進します。外用薬として市販されており、頭皮に直接塗布する形で使用されます。副作用は比較的少ないですが、皮膚のかゆみや炎症が起こることがあります。

    次に、デュタステリドがあります。デュタステリドはフィナステリドと同様に、5αリダクターゼ酵素を阻害してジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制します。しかし、フィナステリドよりも強力な効果を持つとされています。そのため、副作用もフィナステリドと類似している可能性があり、使用する際には医師との相談が不可欠です。

    また、低出力レーザー治療も一つの選択肢です。低出力レーザー療法(LLLT)は、毛根の細胞を活性化し、髪の成長を促進することが期待されています。副作用はひりつきや乾燥など、比較的軽微であるため副作用が心配な方には良い治療と言えるでしょう。

    さらに、植毛手術も考慮されることがあります。自分の髪の毛を移植することで、自然な見た目を取り戻すことができます。この方法は非常に効果的ですが、手術にはリスクが伴い、費用も高額です。術後には回復期間が必要であり、定期的なメンテナンスも求められます。

    当院では低出力レーザーを中心に、薬を使わずに副作用のリスクをできるだけ抑えたAGA治療を行っています。フィナステリドの副作用が心配な方はぜひ一度当院にご相談いただければと思います。

    まとめ

    フィナステリドはAGAの治療に有効ですが、その使用には副作用も伴います。この記事では、フィナステリドの副作用として抑うつ症状ポストフィナステリドシンドローム、その他の副作用、さらにフィナステリド以外の治療法について詳しく説明しました。

    フィナステリドの使用を検討する際には、これらの副作用を十分に理解し、医師と相談しながらリスクとベネフィットを評価することが重要です。近年では低出力レーザー治療など、薬以外の治療選択肢も出てきています。フィナステリドの使用を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

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