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    【医師監修】産後の抜け毛はいつからいつまで?原因・ピーク時期・対策を解説

    産後の抜け毛はいつからいつまで?アイキャッチ

    記事更新日:2026.04.02

    産後に抜け毛が急増して驚いた経験はないでしょうか。出産後2〜3ヶ月頃から始まる抜け毛は「産後脱毛」や「分娩後脱毛症」と呼ばれ、多くの女性が経験する生理的な現象です。331名の産後女性を対象とした調査では、91.8%が産後の抜け毛を経験していたことが報告されています。

    産後の抜け毛は基本的に一時的なもので、多くの場合は産後6〜9ヶ月で自然に回復します。ただし、1年以上続く場合や薄毛が目立ってきた場合は、別の脱毛症が隠れている可能性もあります。この記事では、産後の抜け毛がいつから始まりいつまで続くのか、原因やメカニズム、自分でできる対策、そして受診の目安まで、医学論文のデータをもとに解説します。

    監修医情報

    新行内 出

    ナチュラルAGAクリニック 院長 新行内 出

    経歴

    2013年3月 千葉大学医学部卒業
    2013年4月 がん研有明病院勤務
    2014年4月 東京大学医学部付属病院勤務
    2015年4月 大手AGAクリニックA勤務
    2017年6月 大手AGAクリニックB勤務
    2021年5月 ナチュラルAGAクリニック開院

    資格・所属

    • 日本美容皮膚科学会 正会員
    • 日本抗加齢医学会 正会員

    産後の抜け毛(産後脱毛)とは

    産後の抜け毛は「休止期脱毛」の一種

    産後の抜け毛は、医学的には「休止期脱毛(テロジェンエフルビウム)」と呼ばれる脱毛の一種です。髪の毛には1本1本「ヘアサイクル」があり、成長期(髪が伸びる期間)→退行期(成長が止まる期間)→休止期(髪が抜ける期間)というサイクルを繰り返しています。

    通常のヘアサイクルは3〜6年程度ですが、妊娠中はエストロゲン(女性ホルモン)やプロゲステロンの分泌が増加し、本来なら休止期に入るはずの髪の毛が成長期にとどまり続けます。その結果、妊娠中は髪のボリュームが増えたと感じる方もいます。

    ところが出産後、女性ホルモンが急激に低下すると、成長期にとどまっていた大量の髪の毛が一斉に休止期へ移行し、まとまって抜け落ちます。これが産後の抜け毛の正体です。116名を対象にトライコスキャンで客観的に測定した研究でも、産後4ヶ月時点で成長期の髪の割合が妊娠中より有意に低下し、休止期の髪が増えていることが確認されています。

    産後の抜け毛はどれくらいの人に起こるか

    産後の抜け毛は非常に多くの女性が経験します。東京医科歯科大学の研究グループが331名の産後女性を対象に実施した調査では、回答者の91.8%(304名)が産後の抜け毛を経験していました。つまり、産後に抜け毛が増えるのはごく一般的な現象であり、自分だけに起きている特別なことではありません。

    なお、通常でも1日に50〜100本程度の髪の毛は自然に抜けています。産後はこの量が一時的に増加しますが、シャンプー時や枕に大量の抜け毛があっても、多くの場合は時間の経過とともに元に戻ります。

    産後の抜け毛はいつから始まる?いつまで続く?

    産後2〜3ヶ月で始まることが多い

    産後の抜け毛が始まる時期は個人差がありますが、一般的には出産後2〜4ヶ月頃から目立ち始めます。先述の331名の調査データでは、脱毛が始まった平均時期は産後2.9ヶ月でした。出産直後ではなく、数ヶ月のタイムラグがあるのが特徴です。

    これは、休止期に入った髪の毛が実際に抜け落ちるまでに2〜3ヶ月の期間を要するためです。出産直後にホルモンバランスが変化しても、すぐに抜け毛として現れるわけではありません。

    ピーク時期と回復の目安

    産後の抜け毛には明確なピークがあり、その後は徐々に落ち着いていきます。同じ調査によると、時期の目安は以下の通りです。

    時期目安状態
    開始産後 平均2.9ヶ月抜け毛が目立ち始める
    ピーク産後 平均5.1ヶ月抜け毛の量が最も多い
    終了産後 平均8.1ヶ月抜け毛が落ち着く

    多くの場合、産後6〜9ヶ月で抜け毛は自然に収まり、1年以内に元のヘアサイクルに戻ります。「このまま髪が減り続けるのでは」と不安になる方も多いですが、産後の抜け毛は一時的な生理現象であり、時間の経過とともに回復するケースがほとんどです。

    産後の抜け毛の原因

    女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化

    産後の抜け毛の最大の原因は、妊娠中に高い状態が続いていたエストロゲンとプロゲステロンが、出産を境に急激に低下することです。

    妊娠中はエストロゲンが髪の成長期を延長し、髪が抜けにくい状態を維持しています。しかし分娩後はエストロゲンが急減し、さらにプロラクチン(母乳分泌を促すホルモン)が上昇することで、成長期にとどまっていた髪が一斉に退行期・休止期に移行します。このホルモンの急激な変動が、産後の大量脱毛を引き起こす主な原因です。

    授乳・栄養不足・睡眠不足の影響

    ホルモン変化に加えて、産後の生活環境も抜け毛に影響します。

    授乳との関連:331名の調査では、授乳期間が長い女性ほど抜け毛が長期化する傾向が確認されています。授乳6〜12ヶ月の群は、6ヶ月未満の群と比較して抜け毛のリスクが約6倍でした。ただし、別の客観的測定研究では、授乳中の女性のほうが産後4ヶ月時点で成長期の髪の割合が高かったという報告もあり、授乳が一概にマイナスとは言い切れません。

    栄養不足:産後は授乳や育児の忙しさから食事が不十分になりがちです。髪の成長には鉄分・亜鉛・タンパク質・ビタミンDなどの栄養素が不可欠であり、これらが不足すると髪の回復が遅れる可能性があります。

    睡眠不足:新生児の世話による慢性的な睡眠不足も、ホルモンバランスの乱れやストレスホルモン(コルチゾール)の増加を通じて抜け毛に影響し得ます。

    精神的ストレスとの関連

    産後の抜け毛と精神的な健康には関連があります。331名を対象とした別の調査では、産後の抜け毛が多い女性は不安症状が有意に高いことが報告されています(不安のリスクが約4.6倍)。抜け毛そのものがストレスや不安の原因になり、それがさらにホルモンバランスに影響するという悪循環が生じることもあります。

    ストレスが強くかかると、体内でコルチゾール(ストレスホルモン)が過剰に分泌され、ヘアサイクルの成長期が短縮されます。精神的ストレスによる休止期脱毛は産後の抜け毛とは別のメカニズムですが、育児ストレスが重なることで抜け毛が長引く可能性があります。

    産後の抜け毛がひどい場合の対処法

    産後の抜け毛は基本的に自然回復を待つものですが、回復を助けるために日常生活で意識できることがあります。

    食事・栄養面の対策

    髪の毛は主にケラチン(タンパク質)で構成されているため、十分な栄養摂取が回復を助けます。

    積極的に摂りたい栄養素:

    • タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品。髪の主成分であるケラチンの材料
    • 鉄分:レバー、赤身肉、ほうれん草、小松菜。鉄欠乏は脱毛の原因になり得る
    • 亜鉛:牡蠣、牛肉、ナッツ類。毛母細胞の分裂に関与
    • ビタミンD:鮭、きのこ類、日光浴。ヘアサイクルの調節に関わる
    • ビタミンB群:豚肉、玄米、バナナ。エネルギー代謝と細胞の成長を支える

    授乳中は通常より多くのエネルギーと栄養素を必要とします。過度なダイエットは抜け毛を悪化させるため、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。

    頭皮ケアとシャンプーの選び方

    産後は頭皮も敏感になっていることがあるため、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

    • 洗浄力が穏やかなシャンプーを選ぶ(アミノ酸系シャンプーなど)
    • シャンプー時に指の腹で優しく頭皮をマッサージし、血行を促進する
    • ドライヤーは頭皮から20cm以上離して、熱によるダメージを防ぐ
    • 頭皮を強くこすったり引っ張ったりしないよう注意する

    なお、抜け毛を気にしてシャンプーの回数を減らす方もいますが、洗髪を控えても抜ける髪の総量は変わりません。むしろ頭皮環境を清潔に保つことが重要です。頭皮マッサージを取り入れたい方は、頭皮マッサージの正しいやり方を参考にしてください。

    生活習慣の見直し(睡眠・ストレス管理)

    新生児の育児中にまとまった睡眠を取るのは難しいかもしれませんが、できる範囲で以下を意識してみてください。

    • 赤ちゃんが寝ているときに一緒に休むことを最優先にする
    • パートナーや家族に育児を分担してもらう時間をつくる
    • 完璧な育児を目指さず、自分自身の体調管理も大切にする
    • 抜け毛について一人で悩まず、周囲に相談する

    産後の抜け毛は一時的なものであるという正しい知識を持つだけでも、不安の軽減につながります。

    産後の抜け毛が治らない場合 — 受診の目安

    産後1年以上続く場合は慢性化の可能性

    多くの産後脱毛は6〜9ヶ月で収まりますが、なかには回復せず慢性化するケースもあります。産後1年以上経っても抜け毛が収まらない、あるいは明らかに地肌が目立つようになってきた場合は、慢性休止期脱毛に移行している可能性があります。

    慢性化する原因は完全には解明されていませんが、栄養不足の持続、甲状腺機能の異常、鉄欠乏性貧血などが関与している場合があります。特に産後は授乳による鉄分消費が増えるため、鉄欠乏は見落とされがちです。これらは血液検査で確認できるため、長期間続く場合は一度医療機関で検査を受けることが重要です。

    FAGA(女性型脱毛症)や他の脱毛症が隠れていることも

    産後の抜け毛をきっかけに、潜在的に存在していた別の脱毛症が顕在化するケースがあります。200名の産後脱毛患者をダーモスコピーで評価した研究では、注目すべき結果が報告されています。

    診断割合
    休止期脱毛のみ9.5%
    休止期脱毛 + 女性型脱毛症(FAGA)56.0%
    休止期脱毛 + 牽引性脱毛症6.5%
    休止期脱毛 + FAGA + 牽引性脱毛症28.0%

    純粋な産後の休止期脱毛のみだったのはわずか9.5%で、約90%の患者にFAGAや牽引性脱毛症が合併していました。産後の抜け毛が引き金となって、それまで気づかなかった脱毛症が明らかになることがあるのです。

    FAGA(女性型脱毛症)は女性ホルモンの減少に伴い、頭部全体が徐々に薄くなる進行性の脱毛症です。産後の抜け毛と異なり、FAGAは自然には回復しないため、適切な治療が必要になります。

    以下のような場合は、早めの受診を検討してください。

    • 産後1年以上経っても抜け毛が減らない
    • 分け目が目立つようになった、地肌が透けて見える
    • 抜ける毛が細くて短い(成長しきる前に抜けている)
    • 頭頂部や分け目を中心に薄くなっている
    • 家族(両親)に薄毛の方がいる

    早期に適切な診断を受けることで、FAGAなどの進行性脱毛症にも対処しやすくなります。

    まとめ

    産後の抜け毛は、妊娠中のホルモン変化の反動で起こる一時的な生理現象です。多くの女性が経験し、ほとんどの場合は産後6〜9ヶ月で自然に回復します。

    ポイント内容
    原因出産後の女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下
    開始時期産後2〜3ヶ月頃
    ピーク産後5ヶ月頃
    回復時期産後6〜9ヶ月(遅くとも1年以内)
    対策バランスの取れた食事、十分な休息、頭皮ケア
    受診の目安産後1年以上続く場合、地肌が目立つ場合

    産後の抜け毛は「必ず終わるもの」です。過度に心配する必要はありません。ただし、1年以上続く場合や薄毛が進行している場合は、FAGAなどの別の脱毛症が隠れている可能性があるため、専門の医療機関への相談を検討してください。

    当院では、女性の薄毛に対して薬に頼らない治療を行っています。産後の抜け毛が長引いている方、FAGAが疑われる方は、無料のオンラインカウンセリングをご利用ください。

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    参考文献

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    • Hirose A, Terauchi M, Odai T, et al. Postpartum hair loss is associated with anxiety. J Obstet Gynaecol Res. 2024.
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    • Thom E. Pregnancy and the hair growth cycle: anagen induction against hair growth disruption using Nourkrin with Marilex. J Cosmet Dermatol. 2016.
    • Eastham JH. Postpartum alopecia. Ann Pharmacother. 2001.

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